皆様は商社って聞くとどのようなイメージでしょうか?

おそらく大方は、頻繁に海外出張に行って現地の大きなプラントやインフラビジネスを進めていく。だったり、中南米の大規模なコーヒー畑に行って日本の需要の半分くらいを一人で扱う、だったり。とにかく海外とダイナミックな商取引をする。そして、日本にいる時の週末はキャビンアテンダントと青山あたりで合コンざんまい。

こんなのが頭に浮かんでくるかと思います!? 違いますか??

まぁ、私の場合は学生の頃の商社マンってそんなイメージでした。

で、一方で専門商社っていうのもよく聞くワードです。

今回はこの専門商社について俗に言う商社マン≒総合商社との比較を過去を振り返りながら考えてみます。

そもそも専門商社って何?

そもそも専門商社ってなんなんでしょうか?

まぁ、言うまでもないですが、その名の通り、何か専門的に分野を絞って商取引や卸売をしている会社です。

一方で総合商社はラーメンからロケットまでとか言われたりしていて本当になんでも取引しています。ただ規模はバカでかいです。私の友人でも日本にあるタオルのほぼ半分以上の糸を一人で扱っている。厳密にはもっと沢山の人が周りにいますが、一人で関わっている、なんて事もあるみたいです。

専門商社を業種で見てみる。

それでは専門商社を日本の業種の中から見てみます。以下のデータは日本の産業を業種126に分けてランキングしたものです、データは2017ー2018年のもの。専門商社という業種(主要対象企業237社)が国内でどのような位置にいるのかがわかります。

出展は業界SEARCH.comから。

業界規模:46兆2474億円 8位/126業種

平均年収:614万円 64位/126業種

収益性:1.6% 117位/126業種

伸び率:2.3% 82位/126業種

とこんな感じです。

業界1位の会社はメディパルH D、2位がアルフレッサHDと医薬品降会社が続いています。で、それ以降は食品だったり、エネルギー関連だったり、日用品、産業機械、などなどなんでも御座れの状態です。

日本全体の産業規模は982兆円だそうですのでその5%くらいの規模に専門商社が関わっているって事みたいです。これが多いのか少ないのかはさておき、数字で見ると、まあ平均より少し良い年収で、規模も割と大きいって感じだと思います。一つ特徴的なのが、収益性の低さです。これは基本的には物を右から左に流す産業構造のため利益率が低いという事だと思います。特に顕著なのが、1位2位の医薬品降の会社ですが、これらの会社は医薬品メーカーが開発した薬を仕入れて、病院や診療所、薬局などに販売しています。医薬品は国が薬価=最終販売価格を決めているので、その性質上利益のカサ増しがとてもしづらい商品です。一方で、ある程度安定的な数量の出荷と売り上げが見込めるので過剰在庫になりにくい特徴があり、いわゆる卸売りの代表みたいな特徴です。

専門商社を業種で見る意味

業界3位の日本ライフライン社をみてみると、利益率は17.5%と同じ医療関係なのに高い利益率です。この会社は商社でありながら自社でも製品を開発しているようでメーカー的な側面を持つとか。というか完全にメーカーですよね笑。まぁ専門商社と名乗る業種の中なにはこういった会社も多く存在していて、一概に専門商社と括ってもほどんど意味が無いって事だと思います。

事実、私が働いていたアパレル系の専門商社では利益率も高く、前出の1位2位の会社とは業務形態も大きく違いました。専門商社の中には完全内需向けの市場で、国内だけで完結するビジネスも多くあります。また、一方で専門商社だけど海外に仕入先や販路、自社の駐在所がある会社も多くあるので、専門商社でも総合商社のような働き方をしている会社もあります。

つまり専門商社を業種で見る意味っていうのは殆ど無いと思っています。

専門商社は業界で見る

じゃあ何で見れば良いの?って事ですが、業界で見るのが一番良いと思います。

医薬品関連であれば、基本的には国内で仕事が完結するので、商社的な働き方は無いですし、海外と深くつながっている業界であればいわゆる商社的な働かき方ができるかもしれません。

まぁ実際は入ってからの配属の部署によって、購買部や営業、人事、などなどそれによって運命が決まることがほどんどかと思いますが…

私が実際に働いていたアパレル系専門商社での仕事

新卒でアパレル系の専門商社に入社した私の実際の働きです。

給与は確か350万くらいだと思います。残業代も最初の1時間は付かないけどその後から発生するという、謎のシステムでした。それでも当時としては良心的で残業でお金を稼いでいたのを思い出します。

まぁ、アパレル系の中では大きな専門商社だったので業界の中では割と良い待遇だったみたいで、一生勤め上げると、総合商社とあまり変わらない生涯年収になると、当時の部長が言っていました。何やら退職金がすごいとか…個人的には絶対それは無い!笑と思っていました。仕事は配属される部署によって全然違います。私は某大手小売り業社の担当だったのでそれなりの規模の仕事をできましたが、小さい担当先だと…

と言っても本質的にはやることは対して変わらず、桁が少し変わるくらいです。

当時は、終電間際まで働いて、朝また出勤みたいな日々が続いていました。まぁそれでもいろんな事を勉強できたので個人的には全然良かったのですが、その仕事をずーっと続ける気にはなれませんでした。

具体的には、午前中に仕入れ業者が来て打ち合わせ、午後に客先に言って売り込みやら納期の調整やら、夕方帰ってきて、仕入れの発注と納期の確認、それが終わると事務の女の子の伝票入力の手伝い、それで終電。そんな働き方が続いていました。まぁスケール感はあったのでそれなりに楽しかったのですが、今思うとなかなか激務でした。自分のチームを持ってしまえば自分でコントロールできるのでそこはかなり違ったのだと思います、現に私の上司はほぼ毎日17:30には帰社していました笑。

結局、専門商社はオススメなのか?_

で、専門商社で働くのってオススメ?

結論から言うと会社次第です。

だいぶ無責任な感じですが、紹介した通り、専門商社って本当に業界や会社によって仕事も働き方もバラバラです。

個人的にオススメできるのは、総合商社の子会社としての専門商社です。

これらの会社は基本的には総合商社が作ったビジネスの中で補佐的に、もしくは営業部隊としてだったり、購買部隊として働くことが多いので、必然的に割と規模の大きな仕事をすることになります。運が良ければ本部に出向に行けるとか行けないとか…そんな噂も聞いたことがあります。あんまり無さそうですが。

また、国内で完結するビジネスに携わる専門商社はやめたほうが良さそうです。あくまでも商社って言葉に海外と仕事して〜とか、大きな商材を〜とかそんなイメージがある方はです。このあたりの仕事はまぁ卸売りって話なので、イメージと実際のギャップが凄いです。

と、言うことで簡単ですが専門商社についてちょっと書いてみました。

総合、専門それだけの違いなにそこには大きな溝があります笑。それでも会社によっては専門商社も十分にいわゆる商社マンになれます!

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